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Date:2017/5/9

Place:リコー環境事業開発センター

Interviewee:

出口 裕一 様

株式会社リコー
リコー環境事業開発センター
事業所長 出口 裕一 様

谷山 裕之 様

株式会社リコー 事業開発本部
ES事業センター ES事業推進室
マーケティンググループ
シニアスペシャリスト 谷山 裕之 様

大越 瑛美 様

株式会社リコー 事業開発本部
ES事業センター ES事業推進室
マーケティンググループ
大越 瑛美 様

リコー環境事業開発センターWEBSITE

導入箇所:1F シアターR、未来棟5F 廊下

施工時期:2017年2月

販売会社:株式会社JVCケンウッド・公共産業システム

●リコー環境事業開発センターについて教えてください。

谷山氏リコー環境事業開発センターは、株式会社リコー(以下、リコー)の80周年の記念事業として2016年4月にスタートしました。(リコーは1936年2月6日に設立)。
リコーが、オフィス向け画像機器を中心とした製品とサービス・ソリューション、プロダクションプリンティング、産業用製品、デジタルカメラなどを核とし、今後、新たな事業の取組を掲げる中、そのひとつである「環境事業」の柱として当センターが設立されました。

当センターのコンセプトは「循環」で、“続ける”“創る”“魅せる”の3機能があります。
リユース・リサイクルセンターの事業を基盤に利益を持続的に創出し(“続ける”)、新たな環境技術の実証実験などへ投資して新規環境事業の創出を目指しています(“創る”)。またここでの環境活動を広く伝える情報発信基地としての役割をも担い、センターの存在意義を魅せることで、企業ブランド向上に役立てることも狙っています。

2013年から休眠していたリコーの旧マザー工場をリノベーションした当センターですが、上述のコンセプトに基づき立ち上げ当初掲げた来館者数目標が4,000名であったところ、実際、初年度(2016年度)は4,300名ほどのお客様にお越しいただけました。見学いただきましたお客様からの満足度評価は6点満点中、平均5.64点という高得点で、リコーの環境に対する取組をご理解いただけるセンターとして確立できました。当センターは、こうしたお客様と共に環境事業を開発・創出することを目指しています。

●KooNeを知ることになった経緯をお聞かせださい。

谷山氏当センターの設立プロジェクト立ち上げ時、最初に一般的なBGMを導入しようと考えていましたが、実際に大手BGM企業の音を聴いてみると、何かイメージと違うなと感じました。そんな矢先にグループ関連会社のショールームの会議室に設置されていたKooNeを知りました。

●はじめてKooNeを体感されたときのご感想をお願いいたします。

谷山氏ビクターエンタテインメント社の会議室でもKooNeを体感しましたが、自然にKooNeによるハイレゾの自然音が身体にすっと入ってくる感じがしました。印象的だったのは、30秒ほどKooNeの音を消して無音の空間になった時、会議室内の沈黙に圧迫感がありストレスを感じたことです。この瞬間を肌で感じたときに、KooNeによって空間全体がデザインされているからこそ、この場は居心地が良かったんだと逆に気づかされました。

大越氏私もビクターエンタテインメントの会議室でKooNeを体感しましたが、その時の聞いた医大の先生が監修したという自律神経に関するモニタリングの説明に説得力がありました。当センターには初めてお越しなるお客様がほとんどですが、こういった初対面の方々との間で生じるノン・バーバルな空間を変化させるのにKooNeの環境は効果的なのではと感じました。

●KooNeの導入検討に至る背景と経緯や採用を決めて頂いたポイントをお聞かせください。

谷山氏KooNeの心地良さを体感した時に、これは環境拠点である当センターに導入するべき商品だろうと直感的に思いました。具体的な導入理由として、当センターでは、来場されたお客様と一緒に環境事業について様々なアイディアを考えられる環境作りも重要な為、KooNeのある環境が、五感による創造力を高め、コミュニケーション力の向上を期待でき、オープンイノベーションを促しお客様との深いディスカッションを可能にする、と思えたからです。もう一つ大きなポイントとしては、ここは環境事業開発の拠点なので、「自然」から切り取ってきた高音質の「自然音」で「自然」を室内の空間に再現できるという点でした。

大越氏当センターでは、新規環境事業開発として木質バイオマス利活用を行っております。 これは販売に至らず残ってしまった未利用の間伐材を乾燥させチップ化し、ボイラーでこれを燃焼することで熱を創出し、エネルギー交換率が80%と高い“発熱エネルギー”として再生利用させるというものです。 実は間伐材の入手は一般的に簡単ではないのですが、当センター所在地である御殿場市、地域企業、地域NPOとの連携・協力を得て、地域全体に還元できるよう、地産地消の環境ビジネスの取組をしております。 このような森林に関する地域事業に取り組んでいるため、KooNeの自然音の中に森の音があり、それが本当に森の中で録音されていること、 なによりも「富士山麓」の自然音がプログラムにあることは非常に大きなポイントでした。

●導入後に見られた変化がありましたら教えてください。

出口氏私自身はスタッフとしていつも慌ただしく能動的に動いているため、KooNeを導入した場所において、その感覚に気づきが浅いところもありますが、お客様からのフィードバック(アンケートの回答)には“音が可愛かった”、“音が良かった”といったという声があがっています。導入した1FのシアターRにおいては、植栽や環境に関するアート作品によって空間が作られていますが、その雰囲気と森と川の音がマッチしていて、環境拠点である当センターのPRとしても効果的だと思っています。

谷山氏約1か月間デモという形でKooNeを設置していた時に、対象空間となった シアターR全体について、とらせていただいたアンケートがあります。35件(社外のお客様)・210名分が対象ですが、その中でも音にかかわるコメントとして「音を工夫していている」、「エンターテイメント性が良い」、「環境事業に関わる施設らしい取組」、「シアターRの雰囲気にあっている」、「異次元空間にいるようでワクワクする」、「リラックスする」、「落ち着く」といった好感度の高いコメントをいただいています。

大越氏KooNeが設置されたシアターRは未来棟という建物内にありますが、別の環境棟で勤務するメンバーも気になっているようです。また、未来棟5階の廊下にも導入していますが、こちらは、外から漏れ聞こえる本物の鳥のさえずりと思い、KooNe(=音響システム)と気づかないで「本物の自然音」として自然に受け流している方が多く見受けられます。

●KooNeに対する期待などお聞かせください。

出口氏・大越氏本当は5階のすべての会議室に導入したいくらいです。が、安価なものではないので、今後は多くの場所に導入できるよう色々改善に取り組んでいただけたらと思います。

大越氏シアターRでは、KooNeによる音に関するデザイン設計が良いため、今後、プロジェクションマッピングなど映像技術もあわせて、さらに効果的な空間づくりをできたらと思います。

●リコー環境事業開発センター、リコーグループの今後の取組についてお聞かせください。

出口氏 当センターは、冒頭にお伝えしましたように、環境に関する事業創造を行う場所であり、お客様と一緒に共同で実験実証を行い、新しい事業創造の実現を目指しています。これからも、より多くのお客様にご興味をもって来館いただくため、「リコーは、面白いことを始めた、尖ったことをやっている、面白い商材を持っている」という、お客様が抱かれる期待感を意識して運営に取り組んでいきます。

今後、特に力を注いでいきたいのは再生エネルギーの取り組みです。「リコーは事業活動に使用する電力を全て再生エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアティブ「RE100」にも加盟しています。リコーはこの「RE100」に参加する初の日本企業です。リコーとしてはまず、2030年までに30%を再生可能エネルギーでまかなうことにチャレンジします。そして、この取組の実現にむけて、当センターから1)再生エネルギーの創出、2)使用するエネルギー量の減少(=省エネの推進)をスタートさせていく所存です。省エネや再生エネルギー創出の提唱を過度に行うことで逆に不快なオフィスとならぬよう、省エネをしながらも快適な空間の維持・事業活動が継続できるよう、これからも挑戦を続けていきます。

■インタビュー後記■

富士山麓という自然に恵まれた場所で活動されているからこその、環境事業に対する真摯な取り組みに感銘しました。自然をそのまま再現するというKooNeと親和性を感じ導入いただきましたことお礼申し上げます。 ここで創造される環境事業がグローバルで支持され、豊かな企業活動が地球規模で促進されることを期待します。

Interviewer:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント エンタテインメント・ラボ 岡崎早苗