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【インタビュー】2015.7.1 八千代市立中央図書館 館長 出光 良 様
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千葉県八千代市村上の新川沿いに、2015年7月1日に八千代市立中央図書館・市民ギャラリーが開館しました。開架スペースに約10万冊、収納スペースとしては46万冊も確保されているという県内屈指の大きさを誇る、市民の方々にとって活用しがいのある知的創造の場が創設されました。この新しい文化拠点となる八千代市立中央図書館の館長 出光様に当該図書館とKooNeについてお話しを伺いました。

●KooNeを初めて体感いただいたのは、いつごろで、どのような印象だったでしょうか。

八千代市立中央図書館の運営は、市より指定管理者として委任された株式会社図書館流通センター(TRC)が行っております。 KooNeを私が初めて体感したのは、KooNeが設置されている茗荷谷にあるTRC本社のショールームです。 ショールームにはベンチがあるのですが、そこに座った時に、自然の中にいるような感覚になりました。 KooNeを体感している時に、スタッフが意図的にKooNeによる自然音を消したのですが、「音のある/なし」でこんなにも体感が違うのかと、上手く言葉には表せないのですが、その時の感覚を記憶しています。

一方で、この自然音によって、あることに気付いたんです。TRCの本社1階は大きな道路に面していてガラス張りになっています。それゆえ、かなり車の騒音が耳に入ってくる場所なのですが、ショールームの場所では、その煩さが気にならなかったのです。ハイレゾの自然音に気が向くというか耳が傾聴しているのだろうとその時感じました。車の音に限らず、当館の準備期間中も、図書の配架作業中スタッフの作業時に出るノイズが自然音にマスキングされているかのようで、作業そのものが気になりませんでした。 

●八千代市立中央図書館さんが、KooNeを導入していただけることになった理由を教えてください。

この八千代市立中央図書館のコンセプトとしているのは“自然との調和”なんです。当初の計画から窓越しに森が見られる「森の読書席」と、新川が流れる「川の読書席」が設置される予定があったことを認知しておりました。TRCで体感したあのKooNeの森と川の自然音が、この読書スペースに絶対合うはずだと確信をもって市へ提案をしてきました。八千代市にそれを受け入れていただき、「川の読書席」にKooNeが採用されることになりました。 

●KooNeが八千代市立中央図書館において、来館者に対してどういう役割を果たすと思いますか。

「川の読書席」の床には絨毯が敷かれており、椅子もその絨毯にひっかからないように工夫されたものを導入するなど、来館者の「居心地の良さ」を追求した設計になっています。 KooNeはその居心地の良さをつくるソリューションとして活用しています。まるで外から聞こえてきているかのように、KooNeによる鳥のさえずりが自然に耳に届きとても心地良い状態が作り上げられていると思います。ガラス窓の向こうには新川が流れ、森と川の音源とがうまくマッチしているのですが、実は、外壁沿いにはツタが植えられた鉢が置かれています。今はコンクリートの壁が窓からみえますが、このツタが数年後に緑のカーテンをつくりあげて光と緑、そして自然音のバランスのとれた空間ができあがるはずです。ここで5分でも10分でもボーっと気持ちよく過ごしていただけたら、リラックスされるのではないかと思います。音の存在に対して違和感が全く無いので、自然体で自分のやりたいことに集中できる空間として、このKooNeのある閲覧スペースを活用していただけたらと思っています。

●今後の八千代市立中央図書館の活動についてお知らせください。

地域コミュニティ活性化の中心的な存在として活用いただけるように様々な方法を考えています。その一つとして、学生の方に大いに活用していただける場所になったらという思いがあります。この図書館にはティーン向けの学習スペースもあり、またカジュアルなフード・スタンドが併設され、持ちこみ飲食も可能なフリースペースが設置されています。 部活動などの後に気軽に立ち寄れるコミュニケーション・ラウンジのように活用してもらえたらと思っています。また、市内にある大学や企業などと様々な形でコラボレーションし、多くの方に参加していただけるイベントも実施していきたいと考えています。そしてこの地域には外国の方も多く住んでいらっしゃいますので、多言語で活用できるような情報提供も今後進めていきたいと考えております。新しい文化創造の場として市民の方々の生活に根付いた図書館であり続けたいと思います。

■インタビュー後記■

7月1日の開館の式典当日。多くの式典参列者や来館者へのご対応で非常にお忙しいにも関わらず快くインタビューを受けてくださったその優しさと、新しい図書館としての様々な試みに対する思いがこめられた穏やかで強い語り口に、出光館長の八千代市立中央図書館への愛情が感じられました。KooNeの自然音と川の読書席の景観が、出光館長のイメージ通りであったことを嬉しく思うと同時にKooNeに価値を感じていただけたことに感謝致します。八千代市立中央図書館が多くの方に愛される文化拠点になられるようお祈り申し上げます。

Interviewer:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント エンタテインメント・ラボ 岡崎早苗